中央区新川の四代続く酒屋です

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2022/01/21 11:29

1893年創業。「大号令」を造られている馬上酒造さん。
一昨年まで71歳の馬上社長が一人で地元で飲まれる分だけ製造されていました。
去年は製造をしておらず。廃業するか、1年おきに造るか悩まれていたそうです。

広島県竹原市の竹鶴酒造で10年・滋賀県の北島酒造で4年修業。
今期から馬上酒造さんの杜氏に就任。村上和哉杜氏。
馬上酒造の門を叩き、僕に酒を造らせてほしいとお願いしたそうです。


一度は断った馬上社長もその後、村上さんの熱意に動かされ、村上さんを杜氏に迎えられました。
今現在、社長の親戚の井上さん68歳の二人で造りをスタート!!(井上さんは酒造り初心者!頑張れ井上さん!)
昔から使ってこられた、木の甑(米を蒸す道具)をそのまま使用。
現在存在するほとんどの蔵は、放冷機という機械を使用し、蒸した後の米を放冷していますが、昔ながらの製法を守っています。

麹の出来具合を確認する村上さん! 井上さんと息を合わせ、作業に取り組まれます。
温度が思ったより高くなっている麹があると、井上さんに「暴れ馬がおるよ!」と声をかけ、楽しそうに麹を確認されていました。
「最先端の製麴機もありますが、麹蓋を使うことでいろいろな麹の成長が見れる」「麹の力を感じられます」と話してくれました。

一つ一つ麹蓋の麹をほぐして、積み替える作業をされています。
「昔から使ってこられた麹蓋で使えるものだけ集めました」
「こういう道具も使わなかったら、どんどん箱に置き換わったり、機械製麹になってくる」
「そうなったら、蓋麹って何だったんだ。ということになる。さらに技術としてなくなってしまう」

「竹鶴の石川杜氏は生酛造りは無くなってしまう技術だったと話されていた。」
「今は生酛造りをやろうという蔵元が全国で増えてきましたけど」
石川杜氏の想いをしっかりと受け継がれているのがわかりました。

綺麗に並べられ、冷まされています。
とてもきれいな麹でした。
麹を食べてみてくださいと言っていただき、ちょこっと取られていただくと、一握り口に放り込んで!と言われほおばる。
とっても甘い!おいしい(^^♪

麹は総破精!(しっかりと菌糸がお米の内部まで入っている様子。)
綺麗な綺麗な麹でした!

蔵を掃除していて見つけたんですという柱。
「昭和38年度の馬上酒造内での酒造生活での思い出」と書いてあります。
そして、杜氏さん、麹担当、酛担当、洗米担当、足軽、精米担当の名前と年齢。
村上さんは「こういうのが残っているのがうれしい」
継承されてきた足跡がしっかりと残っていました。

そしてお酒を搾るのは、この「槽搾り」
この酒槽にもろみを入れた袋を重ねて上から圧をかけてしぼるそうです。
村上さんも「やったことがなかったからユーチューブで勉強しました!」と笑っていました!

広島県熊野町唯一の蔵元。馬上酒造の「大号令」
最後に村上さんにどういうお酒を造りたいのですか?と聞きました。
村上さんは「この馬上酒造の昔ながらの道具を使い、修行で培ったことを駆使して、井上さんと造るお酒が大号令というお酒です」
「これから大号令をよろしくお願いします」と話してくれました。
決して自分が前に出ようとしない姿勢はとても勉強になりましたし、多くのお客様に知ってもらいたい。飲んでもらいたいと思いました。
2月頭から今田商店の棚に並びます。
ぜひ手に取ってください。
他にも蔵元の写真を撮っていますので、見に来てください(^^♪